* another sky *

その日の夜、―――。



携帯が、鳴った。



滅多に鳴らない、私の新しい携帯に。




着信……?



梨花??



私の携帯は2週間前に、変えたばかり。


新しい番号を知っている人は限られている。


あえて、学校の友達には教えていない。



航太と私のことを知っている人には、なおさら言えなくて。


麻友理にも、綾子にも、梨花にも。



ずっと着信や受信を繰り返していた航太が、私と連絡を取れなくなったら……。



まず最初に、この3人に連絡するんじゃないかって思ったから。



麻友理はきっとわかってくれると思ったし…。


綾子や梨花には、学校で会ったら直接言おうって、思ってたんだ。



ごめんね、って。


携帯変えちゃったから、新しい番号だよって。




今日、梨花と久しぶりに会って、連絡先を交換した。



梨花かなと思って、携帯を持った、刹那。



心臓が、鋭い凶器で、射抜かれた。




―――――――!!



この番号は…、梨花じゃない。



だって、目が覚えてる、…ナンバー。



麻友理だ、―――――。



嫌だ。



今はまだ、無理だ……。



今は…、やだ。



嫌だっ、―――――!!
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