* another sky *
一旦切れて、また着信のランプが光り始めた。
「……っ。」
着信の音が怖くって、慌ててバイブレーションに切り替えて。
「…あ、…。」
駄目、じゃん……。
だって、その小さな振動すら……。
こんなにも私は、ダメージを受けている……。
―――――――。
馬鹿だなぁ、私。
何に、怯えてるんだろう。
本当の事、知るのが怖い?
じゃあ、ずっとこのままなの?
嫌だ。
それは、嫌だ。
終わりが…、見えない。
いつまで、ビクビク、怯えなきゃいけないんだろう。
ずっとこのままの方が、もっと嫌だ。
ずるずる引きずりたくなんか、ない。
じゃあ、どうしたら…。
どうしたら、いいの……?
受けて立つしか……、ないの…?
次にかかってきたら…、出よう。
自分の周りで、起きていた、こと。
私だけが知らなかった真実。
もう、終わらせたい。
もう終わらせたかったから。
出よう。
私は、覚悟を、決める。
その後の事は…、その時に考えよう。
何も知らないまま、怯えて暮らすなんて…、嫌だもん。
「………っ!!」
三度目の、着信。
私は何度か深呼吸を繰り返して、携帯を持つ。
ボタンを押す指が、震えていた。