* another sky *


「……っ。」


何度も…電話、した……?


今、そう言ったよね……?


待って、―――。


麻友理の着信は、あった…?


なかった…、よね…?


あの時、私が麻友理に電話してから…、


一度もなかった…。


新しい携帯にしてからも、少しの間繋がっていた前の携帯。



麻友理の…、麻友理の着信は、なかった…。



目の前が、真っ暗になっていく。


ずるずると、ソファに身体が沈み込む。



今までの麻友理だったら、考えられないこと。


だって、―――。


お互い辛い時は、いつも一緒にいたから。


支え合って、きたから。



「…っ、玲、会えないかな?

会って話したいの。」


今さら…、何を話すというの?


「…私、私ね…。

渡瀬さんが、好きなの。」



――――――!!



やめてよ…。


そんな話、聞きたくないよ。



麻友理。


残酷だよ。


私の気持ち、考えたことあるの?



「おねがいっ…、玲。


会いたいの。


会って話したいの…。」



黙ったままの私に、必死に訴え続ける麻友理の声。


どんどんやりきれない思いに、駆られていく。



「お願いよ…。」


「…、わかった…。」



私は馬鹿だ。


会って、どうなるわけじゃないのに。


解っていたのに、何で受けてしまったんだろう…。
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