* another sky *

何て、答えればいいのかな。

ああ、そうですかって、言えばいいの?

返事に困った私は、俯くことしか出来なくて。

親友だった、麻友理の顔を見ることさえ、出来ないよ。


「玲には悪いと思ってる。

酷いよね…、私たち…。」



私たち………?



ああ、―――。

梨花が言ってたのは、こういうことだったんだ…。

私がどうであれ、二人はもう、始まっているんだから…。

会いたいと言ったのは、麻友理が次に進むステップでしかないんだ。


そういう、ことか……。

じゃあ、尚更だ。

私はどう答えたら、いいんだろう……。


「麻友理…。」


「ん?」


麻友理は、真っ直ぐに私に視線を向ける。



――――――!



一瞬、言葉に詰まってしまった。


あまりにも麻友理の顔が、自然だったから。


麻友理は私の答えなんか聞きに来たのではない。

報告しにきたんだ。

自分の罪が軽くなるかのように…?

いや、もう、そんなことすら、考えてないでしょう?


話があるのって。

ごめんねって。


それは、直接私に話すことで、自分自身にけじめをつけるような。


そう。

私の答えなんて、もう必要ないんだ。

許す、許さないとか、もう関係ない。

二人は既に、始まっているんだから。


「……っ。」


自分の、道筋が……、わかったような、気がした。
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