* another sky *
「玲…。
本当にごめんなさい…。
謝っても、謝っても、許してもらえないの、わかってる。
でも、でもね。
聞いて、欲しいの。」
「待って。」
私は深呼吸をして、自分を落ち着かせてから、自分の頭の中で決着をつけた言葉を、言い放つ。
「麻友理。」
「うん。」
「私ね、もう航太とは別れたの。」
「…で、でも…。」
「いつから好きだったの?」
私が何を言い出すか解らずに、麻友理の瞳が、揺れ始めた。
私が彼女の話を、折ったから。
「…玲の誕生日くらいかな…。」
―――――――!!
そんな…、前から…?
「電話、もらって…。
玲が…、何が欲しいか知ってる?って…。
あ、その時は全然そういう気持ちはなくて…。」
そういう気持ちって…、何よ…?
私は唇を噛みしめる。
「時計、喜んでくれたよって。
私、二人の役に立てて嬉しかったの。
私が死にそうになってた時、玲、ずっと一緒にいてくれたから。」
泣かない。
今は絶対、泣かない。
私は歯を食いしばる。
「そしたらお礼がしたいって。
私、断ったんだよ。
玲にはたくさん感謝してるから…。
でも、玲も喜ぶから、3人で一緒に食事でもって…。」
そんな話、私、知らない…。