* another sky *

私、毎日電話、出来なかったのに。

仕事、忙しいよねって…。

頑張ってる航太を、煩わせちゃ駄目だって…。

会いたかったよ?

メールよりも、電話で話したかったよ?

声が聞きたいと思っても、でも我儘かなって、いつも葛藤して。


遠慮、―――?

だって、負担になるのが、嫌だったから…。


私だって、毎日、毎日、声が聞きたかったよ?

甘えたかったに、決まってるじゃんっ。


…馬鹿みたいだ。


私が知らない間に、二人はこんなにも一緒に過ごしてたんだ。


私だって、私だって。

ずっと航太と一緒にいたかったのに。


「でも、梨花が気付いちゃって…。

私、駄目だって思ったの。

玲の彼氏に何してるんだろうって。

終わらせないとって。」


終わらせる、―――??

終わらせるって??


「渡瀬さんにも、もう電話もしないでって、言ったの。

だけど、ね。

…最後にもう一度だけ、会おうって。

これで終わりだからって…。


クリスマス…。」


グラリと、した。

天と地がひっくり返ったような、そんな感覚が、私を襲う。


「最後だからって、クリスマスに会ったの。

でも、もう、離れられなかった……。

お互い、気持ちがもう、戻れなくて……。」


クリスマス。


クリスマスは会社でお祝いしたって…。


じゃあ、―――。

あのレシートは、麻友理と過ごしたものだったんだ。
< 194 / 769 >

この作品をシェア

pagetop