* another sky *
私、毎日電話、出来なかったのに。
仕事、忙しいよねって…。
頑張ってる航太を、煩わせちゃ駄目だって…。
会いたかったよ?
メールよりも、電話で話したかったよ?
声が聞きたいと思っても、でも我儘かなって、いつも葛藤して。
遠慮、―――?
だって、負担になるのが、嫌だったから…。
私だって、毎日、毎日、声が聞きたかったよ?
甘えたかったに、決まってるじゃんっ。
…馬鹿みたいだ。
私が知らない間に、二人はこんなにも一緒に過ごしてたんだ。
私だって、私だって。
ずっと航太と一緒にいたかったのに。
「でも、梨花が気付いちゃって…。
私、駄目だって思ったの。
玲の彼氏に何してるんだろうって。
終わらせないとって。」
終わらせる、―――??
終わらせるって??
「渡瀬さんにも、もう電話もしないでって、言ったの。
だけど、ね。
…最後にもう一度だけ、会おうって。
これで終わりだからって…。
クリスマス…。」
グラリと、した。
天と地がひっくり返ったような、そんな感覚が、私を襲う。
「最後だからって、クリスマスに会ったの。
でも、もう、離れられなかった……。
お互い、気持ちがもう、戻れなくて……。」
クリスマス。
クリスマスは会社でお祝いしたって…。
じゃあ、―――。
あのレシートは、麻友理と過ごしたものだったんだ。