* another sky *
それなのに、―――――。
まず、連絡が取れない。
何度かけても、玲は電話に出ないわけで。
留守電を残しても、音沙汰なし。
メールなんて、着信拒否。
挙句に、携帯は解約されてしまう。
無機質に繰り返される携帯会社のメッセージに、愕然とした。
とにかく、会って話をしなければ。
その思い一つで、玲の家に向ったんだ。
もっと早く…、行けばよかったよ。
カーテンが取り外されているのを目にした瞬間、足が竦んだ。
玲の部屋は、空っぽだった。
会えば、何とかなる。
それだけの思いで、急いてきた俺を打ちのめすには、十分な衝撃だったことは確かだ。
茫然と立ちすくむ俺に残されたのは、抗う事の出来ない現実と、思い出だけ。
玲は誰にも言わずに、姿を消してしまってたんだ。
もう一度、ちゃんと向き合って話したかった。
いや、―――――。
…いったい何を話すんだ?
誤解だって、ことをか……?
謝りたかった……?
今となっても、わからない…。
だけど、―――――。
それすら許してもらえなかったんだ…もんな。
これまでの人生で、味わったことのない、絶望。
どれだけ自分が思い上がっていたのか、無残にも思い知らされたんだ。