* another sky *

2週間経った頃、綾子ちゃんが玲と連絡が取れないと騒ぎ出した。

1か月過ぎても、玲からの連絡はなくて。

綾子ちゃんと付き合い始めた紺に、それとなく聞き出してもらっても、玲からの連絡どころか消息すら聞こえてこなくて。


半年程経って、やっと、理解した。

俺たちは、別れたんだって。

俺は玲に、切られたんだって。


あまりにも超然とした態度に、笑ってしまったよ。

言い訳も出来なかった。

謝るなんて、もっての外。


一人じゃ何も出来なくて、甘えるのも下手。

俺がそばで守ってあげなきゃ、支えてあげなきゃって、偉そうに上から見てた俺って、馬鹿?

一体、この二年間、玲の何を見てきたんだろう…。

情けなくて、情けなくて……。


そんな俺を、ずっとそばで見ていたのが、麻友理だったんだ。


玲、―――――。


久しぶりに聞く、玲という響き。

頑張っていることを聞くとなんだか嬉しかった。


じんわりと、温かい気持ちになる。

やっと手に入れた、玲の、今の状況。


会いたい…な、―――――。


「大丈夫か、おまえ?」


佐藤が心配そうに、俺の顔を覗き込む。


「ああ。」


「玲ちゃんとこに決まったっていうからさ、調べてみたんだよ。
デザインから設計まで、全部、任されてるらしいよ。」


「そっか。」
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