* another sky *
玲と麻友理は、全然違う。
玲は、俺が見つけたんだ。
誰にも開発されていない、いわゆるまだ、原石。
少女から大人の女性へと、目覚めさせたのは、俺だ。
俺だけを真っ直ぐに見つめる玲を、大切にしたかったんだ…。
初めてのキスから、ゆっくりと時間をかけて。
「愛してる。」も、「好きだよ。」も、惜しみなく囁いた。
恥ずかしそうに真っ赤になった玲を、初めて抱いた時。
今までの恋愛が何だったのかって思うくらい、興奮した。
思った通り、あっという間にキラキラと輝き出したよ。
それはもう、眩いくらいに。
だけど、深く玲を知るようになって、気付いたんだ。
いつもにこにこと、人を惹きつける天性の性分の裏側には、臆病で傷つきやすい玲が隠されていたことに。
誰とでも仲良くなれるようで、実は人見知りが激しい、玲。
本当は、小さな事にも傷つきやすい玲。
両親の仕事の関係で、子供の頃は引っ越しが多かったと聞く。
転入生はね、珍しがられるから、最初は人が集まってくるんだけど、あっという間に飽きられちゃうの。
そして、私になら何でも言っていいと思って、いろんなところで名前を出されるの。
良い事もあったけど…、大抵が悪い事だった。
玲が言ってたとか、玲がやった、とか…。
結構、辛かったな…。
俺の腕の中で、ぎゅっと身体を近寄せて。
初めて聞いた、玲の本音。