* another sky *
石井麻友理。
私の一番の親友。
大学に入学するとともに、知り合った。
良く似た環境で育ってきた私たちは、共通点もたくさんあって。
都会で一人暮らしを始めた寂しさからも、お互い助け合って支え合ってきた。
今では何でも話せる、心強い、私の親友。
こんなふうに打ちのめされた姿なんて、初めて見た…。
麻友理がここまで落ちることって…?
うん、なかった。
今まで見たことない…。
どうしたっていうんだろう。
まさか、家族の誰かが亡くなったとか?
…っ、…高橋君と…、何かあったのかな。
事件…?
事故…?
何か、とんでもないことに巻き込まれちゃったとか…?
わかんないよ……。
私の方が、何だか、焦ってきて。
それくらい、麻友理の状態は悲壮感に溢れていたんだ。
「ほら、ここ座ってて。」
お昼の混雑した時間が過ぎているせいか、学食は空いていた。
良かった…。
あんまり人、いない。
奥まったテーブルを探し、麻友理をそっと座らせ、私もその横に座る。
「どうしたの?
麻友理。なんかあった?」
「………。」
はぁ―――。
麻友理は大きくため息を吐く。
何度も、何度も。
言葉に出すのを躊躇うかのように…。