* another sky *

「…嘘…。」


何で…?

別れようって、どういう……?

別れって、あの別れ、だよね……?

信じられない―――。


だって…。


麻友理の部屋に遊びに行くと、当然、高橋君も普通にいるわけで。

3人でご飯を食べたこと、何度もあるよ。

「玲ちゃん、いらっしゃい。」

って、まるで本物の夫婦みたいに、笑顔で迎えてくれて。


私は高橋君から聞く、麻友理の話が好きだった。

高橋君にしか見せない、素の麻友理が本当に可愛かったから。


高橋君は、高校の入学式の時に、麻友理に一目惚れしたって。


「うわぁ!!
絶対もう、こいつしかいないし!!」


もう、目が離せなかったって。

最初は全然、相手にしてもらえないし、ライバルはめちゃくちゃ多いわけで。

必死に何度もアタックしたけど、毎回毎回、玉砕で。


「だけど、常に俺はお前しかいないよ、アピールしてたんだ。」


そう言って、高橋君は嬉しそうに笑う。

やっと、やっと、高3になってOKして貰った時は、信じられなくて。

ってか、周りが信じてくれなくて。


「俺、一生、こいつを守って行くって決めたんだよ。」

って、照れながらも、そう私に話してくれた。


「大学卒業したら一緒に地元に戻って、結婚しようと思うんだ。」


高橋君は、真っ直ぐな瞳で麻友理を見つめながら、そう言ってたよね?
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