* another sky *

「…大丈夫、だよ…。

私も、一応、大人だし…。」


「それ、どういう意味…?」


「…ん、もう…、……馬鹿っ。」


切れ長の瞳が、私をしっかりと捕らえて離さない。

そっと手を伸ばし、翼の頬に、触れてみる。

翼の顔、……。

こんなにもまじまじと…、見つめたこと、なかったかも…。

滑らせる指先は、あっという間に翼の手のひらに捕まって。


「煽んないの。」


「あ、煽ってないもんっ。」


真っ赤になった私を、愛おしそうに見つめながら。


「ずっと…、俺の横にいてくれる?」


「…うん。」


「…めちゃくちゃ、好きだよ。」


――――――!!


「泣くなって。」


「…んっ…。」


「…泣いたら余計、…そそられる、でしょ。」


――――――!!


「もうっ。」


「ったく…。いちいち、可愛いなぁ。」


捕まえた私の手のひらを、そっと口に近付けると、唇で甘噛みしていく。


「玲、愛してる。」


ストレートな思いに、また、泣きそうになった。


「…好き。大好き、翼。」


真っ直ぐに言い放たれた言葉が、自分自身にも深く突き刺さる


ちゃんと伝えなきゃ。

この恋は、後悔しないように…。


「もう、ずっと前から、好きになってた。」


「ちゃんと、伝わってたよ。

だから、余計に、大切にしようと思ってた。

めちゃめちゃ、幸せにしてやるから、覚悟してな。」


その嬉しそうな瞳に、私はまた、泣いてしまった。
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