* another sky *

そっと涙を拭う指は、私の身体へと滑らせていく。


「えっと、……。

そろそろ抱いてもいいでしょうか?」


「…っ、もうっ。」


「玲の気が変わったら、嫌だし。」


なんて、にっこりと笑って見せる。

翼は今まで、そんな素振りを見せたことが、無かったから…。

ずっと、待っててくれたんだ…。

そう思っただけで、嬉しくて泣けてくる。


「ありがとう、翼。

いつも、そばにいてくれて。」


そっと翼の首に、腕を絡ませた。

刹那、舞い降りるかのように優しく触れあった唇は、私の心を溶かしていく。

見つめ合ったまま、何度もキスを繰り返しながら、私たちはクスクスと笑い合った。


でもね、……。

正直、こういうのって、久し振りで、…。


満たされていく幸せな気持ちとは逆に、心臓はものすごい勢いで、早鐘を打ち始めて…。


何度も繰り返されるキスのせいなのか、

男の人に触れられることに、緊張しているのか…。


爆発しそうなくらいの胸の高鳴りは、きっと伝わっているはず…だよね。


「愛してる…。」


唇が流れて、耳たぶを甘噛みする。

ビクンと震えた私の反応を、色っぽい瞳が見逃すはずもなくて…。

ソロリと動き出した舌先に、思わず吐息が漏れた。



やばい……。


翼の触り方、好きかも、―――――。

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