* another sky *
強引でもなくて、独りよがりでもない。
快楽だけに突っ走るような、そんな荒々しさも感じられなくて。
私の反応に添うように、優しく、甘く愛撫する。
とろけそうな極上のキスに、つい、勢いで、胸を押し返してしまった。
「…やめる…?」
翼の穏やかな声に、息をのむ。
「あっ、そうじゃなくて…。
あのねっ、…緊張、しちゃって…。」
だって、あのまま続けていたら……。
キスだけで、声が漏れてしまうくらい、気持ちよくて…。
「こういうの、久し振りで…。
ドキドキが半端ないっていうか、……。」
「俺もだよ。」
「えっ…。」
「夢みたいだ。玲に触れられるなんて。
だから、…ちょっと、緊張してる…。」
その微笑みが、あまりにも優しくて……。
少し、落ち着けたかというか、ホッとしたというか…。
「…やめ、なくて、…いい…。」
「いいの?」
「ドキドキ…、聞こえてると思うけど……。
笑わないでね…。」
「笑うわけ、ないでしょ。でも、……。」
「ん?」
「もっと、ドキドキ、させてあげる。」
――――――――!!
「え、あの……。」
「ずっと、こうなりたくて…。すごく嬉しいんだ。
だから、大切に、大事に、抱くよ。
でもね、俺を選んでよかったって、思って欲しいから。
たくさん、ドキドキ、させてあげる。」