* another sky *
梨花は来春、未来君と結婚が決まったらしい。
綾ちゃんは紺ちゃんと同棲を始めたようで、ここも結婚が近いのかもしれない。
良かった…。
みんな…幸せそうだ。
本音を言えば、綾子…。
私のせいで、せっかく上手くいっていた紺ちゃんと駄目になっちゃってたらどうしようって…。
そこだけが、心配だったんだ…。
「玲ごときで終わるのなら、そこまでだったってことよ。」
相変わらずの、梨花の毒舌。
「そうよ、玲ごときで別れたりしないわよ。」
「ちょっと、さっきから黙って聞いてれば…。」
私たちはまたケラケラと笑い合う。
「玲はどうなの?」
綾ちゃんは私の手を取り、微笑んだ。
「あ、あの、私ね。」
なんて説明しよう…。
ありのまま?
そうだよね。
ありのまま…話そう。
友達だから、―――――。
私はあの日から今までのことを、全部話した。
航太の着信や、麻友理からの電話に怯えてしまったこと。
携帯をまた解約して、引っ越しもしてしまったこと。
寂しくて、寂しくて二人に会いたかったこと。
それでも、麻友理と繋がっている二人に連絡することが怖かったことも。
「ほんっと、心配したんだからねっ!」
梨花は自分が麻友理に新しい番号を教えてしまったことを後悔していた。
「どうしても自分から謝りたいって言うからさっ。
まさか、その後、玲が引っ越しまでしちゃうなんて…。」