* another sky *
「本当にごめんね。」
違うの、梨花。
私は麻友理との間に、二人を巻き込みたくなかっただけなの。
それなのに、―――。
私が逃げ出したから…。
結果、梨花を苦しめることになってしまって…。
だから…、謝らないで…。
「わかってるって。」
俯きかけた私に、綾子がそっと肩を抱く。
「玲の考えそうなこと、全部、わかってるから。
ただね、それでも私たちは連絡してほしかったのよ。
玲のこと、大切な友達だって、ずっと思ってるんだから。」
「綾ちゃん…。」
その一言で、私は救われた気がした…。
そして、偶然に麻友理と会ったことに話が及ぶ。
連絡先が欲しいと、しつこく強請られてしまったことも、全部、話をした。
そのことがあったから、もう一度ちゃんと向き合おうと思ったこと。
まず最初に、二人に連絡を取ろうと思ったことなどを、包み隠さず話をした。
「好きな人はいるの?」
「うん。」
翼との出会い。
翼がいてくれたから、自分の弱さともう一度向き合う事ができたこと。
そして昨日、翼に全て話したこと。
「えっ!! 昨日??」
「…うん。」
中途半端な関係から、ちゃんとした恋人関係になったこと。
「玲…。」
梨花の目に涙が溢れる。でも、嬉しそうだ。
「玲、良かったね。私まで嬉しいよ。」