* another sky *
「正直言うとね、―――。
渡瀬さんが麻友理と付き合い始めたってことに、正直…、かなり引いたわ。
麻友理は嬉しそうだったよ?
ずっとそばで、支えてたからね。
梨花にはいい加減にしときなって、言われてたけど、友達だから話ぐらいは聞いてあげなきゃって思ってたの。
私くらいは麻友理の言い分、聞かないとって。」
「ん、―――。」
「だけど、―――。
玲のことはもっと心配だったのよ。
玲は連絡してもつながらないし、携帯も解約しちゃうし。」
「…ごめんね。」
「うううん、それが玲の出した結論だと思ったから。
玲もよく考えて、そうしたんでしょう?
迷惑……。
そんなふうに思っていないけれど、玲は迷惑をかけたくないって、そう思ったんだよね…?」
あの時は、――――。
誰とも繋がっていたくなかった、というのが本音…。
誰かに優しくされていたら…、私は壊れていたと思うから。
寂しかったし、辛かった。
誰かに甘えて泣きたかった。
後悔したかと聞かれたら、その通りなんだけどね。
でも、私はやっぱり、みんなから離れる道を選んだと思う。
ただの失恋ではなかったから。
立ち直るには、一人にな時間が、私には必要だったと思うから。