* another sky *
「でも、最っ低でしょ。
彼女の親友に手を出すなんて!」
梨花はそう言い残して、立ち上がる。
そのまま奥にある、レストルームへと歩いて行った。
「梨花…。」
「梨花はね、あんな性格だから。
玲が知らなかったことが許せなかったし…。
麻友理に電話番号教えたこと、相当悩んでいたのよ。」
「んっ。」
「麻友理はね…。
ずっと玲の影に怯えて過ごしてたんだと思うよ。」
「私の?」
「渡瀬さんの中にはずっと玲がいたから。」
「そんなわけ…。」
だって、――――。
「私が…、私が気付く、ずっと前から…。」
「…そこだよ。」
「えっ。」
「渡瀬さんは…。
玲と別れるつもりがなかったのかもしれない。」
「だって、それは…、ないよ。」
「うん。彼女の親友に手を出して…。
ばれないわけがないもんね。」
「……っ。」
「これはね、今の玲に話して良いのか…、迷ったんだけど…。」
―――――――!!
「…何、綾ちゃん…。
聞かなくてもいいなら、聞きたくないんだけど…。」
「玲、―――。
向き合うんでしょう?
逃げないんでしょう?」
「……っ!!」
私が知らないこと、まだ合ったの?
私がいなくなってから何があったの?
怖い、―――――。