* another sky *
「ね、――――。
高橋君が本当にそんなこと言ったの??」
麻友理は小さく頷いた。
嘘だ……。
「…あんなに麻友理のこと、大好きだったじゃない…。」
一生、守るって……。
あの言葉は、…何だったの??
眉間の辺りが、ぎゅーっと熱くなる。
何なのよ……。
私まで泣きそうになる。
「もう…、なんで玲が泣くのぉ。」
「だって…。だって、酷いよ。」
「…酷い、よね……。」
「急だよ。」
「…急、だよね………。」
麻友理は泣き笑いのような顔をして私を見つめた。
――――――!!
「麻友理…。」
どこか醒めた感じの眼差しが、逆に痛々しくて、もうそれ以上何も言えなかった。
私は傷ついた親友の背中に手を回し、そっと抱きしめた。
一緒に泣くことしか…、
出来なかったんだ。
「…、このまま…消えちゃいたいな…。」
麻友理は窓の外をぼんやりと見つめながら呟いた。
「…、ばか。」
どう声をかけていいのか、わからない…。
胸が詰まる思いで、私は麻友理の手をぎゅっと握りしめた。
「…、失恋、しちゃったなぁ……。」
本当に消え入りそうな、小さな声―――。
辛いよね、苦しいよね……。
「高橋、むかつく。」
唇を尖らせて言い放つ私に、
「ありがとう、玲。」
と、小さく笑って、息を吐いた。