* another sky *
「…あのね。
私、麻友理が玲に会いに行ったって聞いて、怒ったって言ったじゃない?
あの時ね、麻友理、言ったのよ。」
ねえ、綾ちゃん…。
怖いよ、……。
真っ直ぐに私を見入る綾子の眼差しに、私は完全に怯んでいた。
「麻友理ね、―――。
…渡瀬さんとは、そういう関係になってないって。」
―――――!!!
「え、……。」
嘘でしょう……?
それなら…、どうして……?
だって…、航太には……。
心臓が、激しく脈打ち始める。
爆発寸前の私の心臓は、今にも口から飛び出しそうだ。
「…麻友理は…。
二人が愛し合ってるからって…。
クリスマスに二人で再確認したって…。
離れ…られないって…。」
そうよ。
麻友理が、もうお互いに離れられないって言うから…。
そこまで深く気持ちが進んでるのなら…、私の出る幕じゃないじゃないって…、私は……。
「麻友理の…、嘘よ。」
綾子はきっぱりと否定した。
「ひっ……!!」
そんな、―――――。
そんなこと、あるわけない、――――。
「まあ、きっかけがあって、二人が連絡を取るようになったのは事実よね。
で、麻友理は高橋君の相談とか、してたらしいの。
渡瀬さんも彼女の親友だし、邪険には扱わなかったっていうのが始まりかな。」
―――――――!!