* another sky *

ちょ、ちょっと待って…。

頭が、付いていかないよ…。


「多分、食事に行ったのは…。

渡瀬さんはあまり何も考えてなかったんだと思う。

後で玲に話そうとしてたんじゃないかな。」


レイナラキット、ワカッテクレル。


「でも、私にはそんな話なかった…。」


「ん、―――。
あの頃の玲は忙しかったでしょう。

内定も決まって、推薦してくれたバイト先の事務所の仕事にも追われてたし、課題もあったじゃん?」


「そ、そうだけど…。」


「多分、――――。

渡瀬さんは、玲に話すきっかけがなかっただけなんじゃないかな。」


きっかけ……?

なかった……?


だって、あの頃は航太だって忙しかった…。


あ、―――――。

私、連絡、あまりしなかったから…?

だって……。

航太の邪魔になっちゃいけないって思って…。


もしかして、――――。


航太も…、そう思ってたの?

私が忙しくしてるから、邪魔しないようにって…?


それじゃあ、―――。


私と航太がいつも通りの生活を送っていたとして。

麻友理が高橋君と上手くいってないってことは、航太も知っていた話で。


誕生日の件は、――――。


航太はちゃんと麻友理から情報を得たって、話してくれた。

お礼に食事に行こうという話、あれはどこで話されたの?
< 301 / 769 >

この作品をシェア

pagetop