* another sky *
ちょ、ちょっと待って…。
頭が、付いていかないよ…。
「多分、食事に行ったのは…。
渡瀬さんはあまり何も考えてなかったんだと思う。
後で玲に話そうとしてたんじゃないかな。」
レイナラキット、ワカッテクレル。
「でも、私にはそんな話なかった…。」
「ん、―――。
あの頃の玲は忙しかったでしょう。
内定も決まって、推薦してくれたバイト先の事務所の仕事にも追われてたし、課題もあったじゃん?」
「そ、そうだけど…。」
「多分、――――。
渡瀬さんは、玲に話すきっかけがなかっただけなんじゃないかな。」
きっかけ……?
なかった……?
だって、あの頃は航太だって忙しかった…。
あ、―――――。
私、連絡、あまりしなかったから…?
だって……。
航太の邪魔になっちゃいけないって思って…。
もしかして、――――。
航太も…、そう思ってたの?
私が忙しくしてるから、邪魔しないようにって…?
それじゃあ、―――。
私と航太がいつも通りの生活を送っていたとして。
麻友理が高橋君と上手くいってないってことは、航太も知っていた話で。
誕生日の件は、――――。
航太はちゃんと麻友理から情報を得たって、話してくれた。
お礼に食事に行こうという話、あれはどこで話されたの?