* another sky *
航太…。
航太はどういうつもりで…。
やっぱり…、それはもう。
麻友理のことが気になってたんじゃない。
「……っ。」
「あ、誤解しないで。
渡瀬さんは、仕方なく、って思ってたみたいだから。」
「意味が……。」
意味が、わかんないよ…。
仕方なくって、何…?
私は航太が、わからない。
「麻友理ね、必死だったみたい…。
玲のこととか持ち出してね、渡瀬さんが行かなきゃいけないふうに持って行ったらしいの。」
「……っ!!」
怖い…。
これ以上…、何を言いだされるのか…。
怖くて仕方がないのに…。
私は綾子の瞳から、視線を外せない。
綾子は意を決したように言う。
「渡瀬さんは…、騙されてたのね。
酔っ払った麻友理にキスをせがまれて…、しただけ。
それ以上の関係はなかったと、麻友理は話してたわ。」
「……っ!!」
息を吐くことを、忘れてしまいそうになる。
手が震え出し、また発作が起きそうになるのを、必死で耐えた。
「綾ちゃん…。
それ、今さら、私…、聞いても…。」
「残酷だよね。
玲は麻友理の言ったこと、全部信じたんでしょう?」
「信じたよっ。
だって、麻友理が私に嘘をつくなんて…。
あの状況で、嘘つくって思う??」
そんなのって、そんなのって…。