* another sky *

体の半分をもぎ取られたような気持ち…。

胸が締め付けられるみたいに、苦しい。

寂しいし、孤独だったし、やるせなくて…。


「玲の気持ち、わかるよ。」


私の瞳を覗き込むながら、綾子は言い聞かせるように言葉を繋ぐ。


「私も、よ。

ね、あの頃、みんなで楽しかったよね?」


「綾ちゃん…。」


「うわ…ぁ…ん…。」


箍が外れたように、梨花はテーブルに突っ伏して泣き出してしまった。

私も、溢れる気持ちが抑えきれない。


どこで掛け違ってしまったんだろう。

私はいまだに航太と幸せに過ごしていて、麻友理と相変わらず仲が良くて。

そんな未来もあったはずなのに…。


「麻友理の電話…、どうしよう。
またかかってくるかな。」


「かかってくるわよ。
渡瀬さんがカナダに行くまでに、また。」


綾子の、静かな声が胸に響く。


「…何て…。何て言えばいい??」


「玲が思ったことを言えばいいのよ。」


私の思ったこと?


「うん。構えないで、その時に思ったこと。」


その時に、思ったこと…。


「言えるかな…。」


「麻友理はね、必死だった。

玲も…でしょう?」


うん、―――――。


私も逃げ出したくて、必死だった…。


でももう、逃げない。


麻友理と、ちゃんと向き合うよ…。
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