* another sky *
麻友理をこんな目に合わせたヤツが許せない。
大切な親友を、ここまで傷つけて…。
あー、もうっ、許せない!!
私は猛烈に高橋君にムカついていた。
麻友理にこんな思い、させちゃって。
ほんと、許せないっ!
家に着くと、ソファに二人、くっついて座った。
きゅうきゅうにくっ付く私に、
「玲、狭いー。」
と、麻友理は笑う。
私は立ち上がって、冷蔵庫から冷えたビールを取り出すと麻友理にも渡した。
「はい。」
「さんきゅー。」
「適当に作るから、ゆっくりしてて。」
「ん――。
玲のご飯、美味しいから楽しみ。」
ったく、もう。
絶対、麻友理の方が上手なのに…。
こんな時でさえ、さりげなく気遣ってくれる麻友理の優しさに、私は少し泣きそうになった。
「…来週さ、もっかい、由樹と会うよ。」
「来週?」
「うん。荷物とか…、あるし。」
そっか……。
二人で揃えた家具とか、どうするんだろう…。
「会ってどうするの?
…別れちゃうの?」
「うん―――。」
麻友理は…黙ってしまう。
そして、ゆっくり言葉を選びながら話し始めた。