* another sky *

その後、――――。


誕生日が過ぎてから、また連絡が合った。


すごく幸せな誕生日を過ごしたと、玲が嬉しそうに話していた、と。


「玲、すっごい、喜んでいて。

お手伝い出来て、私も嬉しかったです。」


「麻友理ちゃんも、ありがとうね。」


「私がこっそり聞き出してたって聞いたら、玲、怒るかなって思ったんですけど。」


「あはは。玲はそんなことで怒んないだろ?」


「はい。麻友理、大好きって抱きつかれてしまいました。」


「あ、それは妬けるな。」


「駄目ですよー。玲は私の親友なんです。

渡瀬さん、玲の事…。

大事にしてあげてくださいね。

…私みたいにならないように。」


あ、………。


「麻友理ちゃんはどうなの?」


「私ですか…?」


「佐藤は、―――?

デートしたんだろ?」


「佐藤さんはすごく良い人、なんですけど…。」


麻友理は少し考え込んでいるようだった。

余計なこと聞いたかな、話を変えようか、そう思った時だった。


「…私はまだ…。

前の彼氏の事を…、ちょっと引きずってるかな…。」


「…そうなんだ。」


「たまに連絡があると、やっぱり嬉しくって…。

駄目、ですよね、私…。」


「……っ。」


突然、涙声になったかと思うと、

「すみません…。」

と、泣き出した。


あ…、しまった。

泣かせてしまった。


…でも、…俺が? 

んー、やっぱ…、俺か…。
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