* another sky *
「あー、……。
麻友理ちゃん、今度3人でご飯行こうよ。
誕生日のお礼も兼ねてさ。」
「…ぅ、はい。ありがとうございます。
すみません…、気を使わせちゃって…。」
「ごめんね、泣かせちゃったみたいで…。」
「渡瀬さんのせいじゃないですよっ。
…私、明日、玲に話してみますね。
最近忙しそうだから、会えるかわかんないけど…。」
「うん。聞いてみてよ。
日にちとかも決めといて。」
「はい。じゃあまた連絡しますっ。」
そしてあの日、――――。
待ち合わせたショッピングモールに現れたのは、麻友理一人。
「すみません、――――。
玲から連絡、ありましたか?」
「あ。いや、……。」
「玲ったら、制作終わんないから、二人で行って来て、なんて言うんですよ。
また…、今度にしましょうか…?」
――――――!!
「玲、そんなに忙しいの?」
「はい、――――。
コンテスト作品が卒業課題になったみたいで。
締め切りが近いんですよね…。
バイトも忙しいみたいで、学校でも疲れちゃってて。」
「そうなんだ…。」
「また…、別の機会にした方がいいですよね?」
申し訳なさそうに、下から覗き込む麻友理に一瞬ドキッとし、俺はちょっと焦ったことを覚えている。