* another sky *
「あ、―――。
俺も最近バタバタしてるし、なかなか時間作れないんだよね。
麻友理ちゃんさえ良かったら、食事して帰んない?」
「いいの?」
「ああ。玲には話しておくから。」
「二人は信頼し合ってるんですね。
…私なら、無理かなぁ。」
首を傾けて、はかなげに笑う仕草に、苦笑する。
…切なそうな顔、しちゃって…。
そういうのに男が弱いって、わかってんのかな。
そう言えば、佐藤も言ってたっけ。
麻友理ちゃんの影があるところが、たまんないって。
「じゃあ、行こうか。」
「はい。今日はよろしくお願いします。」
麻友理はにっこり笑うと、俺の横にそっと並んだ
「玲ってね、可愛いんですよぉ。」
「教授にも、すっごく可愛がられててね。」
「男の子にも女の子にも、すっごく、人気なの。」
麻友理は学校で玲がどんなふうなのかいろいろと話してくれた。
学校での玲って、新鮮で面白い。
男に人気があるって、ちょっと気にはなるけれど。
そして自分にとって、玲がどんなに大切な存在なのか必死に力説して。
玲は、特別、――――。
「私は玲が大好きなの。」
ちょっと、褒めすぎだろ。
まあ一応…、彼氏の前では褒めるよなぁ。
俺は笑って話を聞く。