* another sky *
「話は戻すよ?
もう、正直、蒸し返すのも嫌なんだけど。」
「……っ。」
「クリスマスの時、――――。
俺、麻友理に確認したよな?
酔ってて記憶が定かではないから、何があったか教えてくれって。
玲との関係を崩すようなことしてしまって、申し訳ないって、俺、お前に謝ったよな?
そしたら、麻友理、私が抱きしめて欲しいって無理やりお願いしたからって。
ちゃんと玲に話せば、玲はわかってくれるって、言わなかったっけ?
自分も出来るだけフォローする、玲に謝るって、言ったよな?」
「う、うん…、言ったわ。」
矢継ぎ早に質問を投げかける航太に、動悸が激しくなっていく。
「麻友理、正直に話してくれよ。
…俺はいいよ。責任あるから。
玲はどうなんだ?
玲の事、騙したのか?」
「だ、騙したって、何のこと…?
そんなの、誰からそんなこと、聞いたの…?」
直球で来る質問に、眩暈がした。
「誰だっていいじゃないか。
本当の事を教えてくれないか。
責めているわけじゃない。
本当の事が知りたいんだ。」
「……っ。」
いつもの、航太の甘い優しい、瞳。
だけど、その瞳の奥に隠された憤りが、私を確実に射抜いていく。
―――――――。
真っ直ぐな瞳は、もう嘘が通用しないことを物語っていた。