* another sky *
「騙してなんか、ないわ…。」
悔しくて、悔しくて、仕方がなかった。
いきなり、何の話かと思えば、……。
責めてるわけじゃないって…。
もう十分、責めてるじゃない。
何で、そんな言い方をするの?
やっぱり私は、玲には勝てないの?
こんなに頑張っているのに、何でよ!!
「おまえ、玲に…、何を言ったんだ? 」
「……っ。」
玲、玲、玲っ、――――!!
あなたの今の彼女は、私でしょう?
「…私の方が、………って言ったのよ…。」
「え、―――?
何だって?」
「私の方が航太を愛してるって、言ったのよっ。
私の方が、航太を幸せにしてあげられるってっ!!」
だって、本当のことなんだもん。
何が、悪いのよ。
何が、いけないのよっ!!
「…嘘、だろ…。」
信じられないものを見たかのような、驚愕の瞳…。
私は唇を噛みしめて、航太を見返した。
「私と電話で話してる時、航太、言ったでしょう?
仕事が忙しくて、玲と会えないって。
玲がもっと甘えてくれたらいいのに、って。
会えなくて寂しいって言われたら、男は嬉しいって。
麻友理ちゃんみたいに、素直に彼氏に甘えられる子はいいねって。
玲もちょっとぐらい甘えてくれるといいんだけどな、って。」
「え、え、―――?」