* another sky *

「私、ちゃんと言えるよ?」


「は、―――――?」


「玲みたいに、意固地に我慢したりしないで、好きな人に会いたいって言えるもんっ。

だから、毎日電話して、……。


航太、――――。


私とあなたは同じ気持ちだったはず。


だって、玲に、私との電話のこと、言わなかったじゃない。

私からの電話、待ってたんでしょう?


最初は、私と話すことで、紛らわせてたのかもしれないけど。

スノボに行った時くらいから、私のこと、気になってたんでしょう?

本気で好きになってくれたんでしょう?」


「…ちょ、ちょっと…待て。

じゃあやっぱり、お前が…。」


「私は何もしてないわっ。

私は…、私は…、航太を好きになっただけよっ。」


黙り込んでしまった、航太、――――。


どう答えたら、いい?

どう説明したら、わかってくれる…?


だって、航太と私は、相思相愛。


玲がいなくなったら、そのまま流れで付き合えるって思ってたのよ。


だけど、あんなに航太が荒れるだなんて、想定外で…。

付き合えるまで、こんなに時間がかかってしまった。


玲のことを忘れられなかった航太を、ずっと支えてきたのは、私、なんだよ?


それが今、どうしてこんなに責められなきゃいけないの?


私がずっと、あなたのそばにいたんだよ。
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