* another sky *
「玲のためだもん、詳しく探ってみるわ。
でも、いつになるかわかんないし…。
あ、良かったら連絡くださいって、佐藤君から伝えて。
私の携帯、渡瀬さんに教えてくれて構わないから。」
「航太に、―――?
へえ、麻友理ちゃんて、友達思いなんだね。
うん、いいよ。
伝えとくよ。」
「玲だから、だよ。
玲は私の親友だし、特別なの。
渡瀬さんといつまでも仲良くしてほしいもの。」
そう言って、私はにっこり笑った。
渡瀬さんから直接電話がかかってくるか…。
それは私にとって、ひとつの賭けだった。
かかってくるかな…。
きっと、かかってくる。
そう信じて、――――。
そして、その日の夜のうちに、渡瀬さんから連絡が入る。
「あ、渡瀬ですけど、…麻友理ちゃん?」
「あ、はい。麻友理、です。」
「ごめんね、突然。」
「いえ、―――。
ちょうど私も、玲にお誕生日に何が欲しいって聞いてたんです。」
「玲、何か、言ってた?」
「それがねー。何でも良いって言うんです。
玲って、ほんと、可愛いですよね。
もう、私が男なら、絶対、玲を彼女にしたいですっ。」
私は女の子特有の、甲高いキラキラした感じを表現する。
親友の為なら、私もお手伝いしちゃいますよっ、的な。
何でこんなにテンションが上るのか、わかんないんだけれど。
私は渡瀬さんとの会話が、嬉しくて仕方がなかった。