* another sky *

だってね、――――。


都会で生まれ育った梨花や綾子と、地方出身の私と玲は、最初からカラーが違う。


初めて会った時の玲は、子供っぽくて、服装も無難で。

梨花や綾子と並ぶと、同じ年齢には、全く見えない。

化粧はしてるけど、今時の高校生の方が、まだ上手だよ?

彼氏がいないと話すのも、納得っていうか…。

変な男に、騙されなきゃいいけどって、心配になるくらい、純粋な子で。


「麻友理に報告があるの。」


ある日、玲は嬉しそうな視線を私に、向ける。


頬を赤くして、

「あのね、彼氏ができたんだ。」

と、恥ずかしそうに笑って。


どんな人なのかな…。


気には、なったけれど。

正直、由樹との生活で頭がいっぱいだった私は、玲の彼氏なんてあまり興味がなかったというのが、本音。


「すっごくね、大切にしてくれるんだ。」


玲はいつも、そう話していた。


大切にしてくれるって…?

玲ったら、わかって言ってるの?

忙しいからって、平気で2週間も会えないままなんて、有り…?

よく大切にされてるって言えるわね…。

毎日、会いたくないのかな? 

会えなくても電話やメール、一日何回もしてほしいじゃない。

玲はまだ…、お子さまなのかなぁ…。


口に出しては言わないけれど、玲の恋も長く続かないだろうなって思ってた。
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