* another sky *

それなのに、……。

玲と航太が、並んだ時。

初めて二人一緒にいるところを見た時。


衝撃、だった、――――。


私と由樹の空気感と、全く違っていたから。


俄然、興味を持って、玲からいろいろと話を聞き出した。

真っ赤になって、戸惑いながら話してくれたその内容にまた、衝撃を受けた。


「航太の方が、料理が上手いんだよ。」


「え、渡瀬さんって料理作れるの?」


「うん。簡単にパパっとね。

でも、すごーく美味しいの。

後片付けくらい私がしようと思っても、一緒に手伝ってくれるし…。」


キッチンに由樹が立つなんて…、考えられない。

記念日じゃなくてもレストランを予約してくれたり、二人で旅行へ出かけたり。

この前なんか、玲に似合いそうだったからって、可愛らしいシュシュとアンクレットを貰っていた。


「航太がつけてくれてね…。

もう、恥ずかしかったぁ。」


頬を赤くして話す玲が可愛くて、……。

私は由樹に、プレゼントなんていつ貰ったんだろうって、考えていた。

旅行なんて、二人で行ったこと、ないもん。


大切にされているって…、何、どういうこと?


由樹は私を、いつも求めてくれる。

私だって大切にされている…。


だけど、心の奥では羨ましくて仕方なかった。

妬ましかったっていうのが、本音、かな…。


渡瀬さんの眼差しは真っ直ぐに、玲を見つめていたから。

二人がどんなに愛し合っているのか、馬鹿な私にも、よくわかったから。
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