* another sky *

「麻友理はさ…、玲にどんな感情を…持ってたわけ?」


え、…?


「玲はさ、麻友理が傷ついて苦しんでいる時に、そばにいてあげたいって必死だったよ。

自分が麻友理を守ってやる、くらいの気持ちでさ…。

俺、そういうの見て、女の子同士の友情も捨てたもんじゃないなって思ってたよ。」


「…っ。」


「そんな二人の友情を、俺が壊してしまって…。

本当にすまないと思ってた…。

ただ…それを全部、……。

麻友理が仕組んでいたことなら…。

俺は自分の馬鹿さ加減にほとほと呆れるし、自分の弱さを呪うし、筋違いかもしれないけど、麻友理の事も許せない。」


「え、…許せないって…?」


え、―――。

何よ、それって、どういうことよ。

航太…、何…、言ってるの?


「自分と彼女を嵌めた女と、今、俺は付き合ってるんだぜ。

知らなかったのならまだしも、知ってしまった今、どうして麻友理と付き合えるんだ?

正直に話してくれたのなら、少しは考えられたのに。

麻友理から出てくる言葉は、す・べ・て・保身ばっかりで。

心底、うんざりするよ。」


―――――――!!


「…別れるって…こと…?

いや、航太っ。

別れるなんて、嫌よっ!!」


そんなの…、あんまりよっ。

私は今までずっと、待ってたのよ。
< 410 / 769 >

この作品をシェア

pagetop