* another sky *
「ねえ、どうしてそんなこと言うの?
私の何が悪いの?
私は正直に、玲に自分の気持ちを話しただけだよ?」
航太の腕にしがみ付き、私は必死に訴える。
ねぇ、今が幸せなら、何も問題ないじゃない。
航太…、頭を冷やしてよ…。
「…麻友理、今、俺は麻友理と付き合っている。
だけどな、あの頃は玲と付き合っていた。
いいな?」
「うん。わかってる。」
「あの頃は、普通に、玲と上手くいっていたと思う。
だよな?」
ええ。そうね。
考えたくないけれど、あの頃はそうだったわね。
「…麻友理は…玲と一番近くにいたよな?
だからこそ、俺は自分のことを責めているんだ。
玲と麻友理の仲を裂いてしまったことが…、ずっと申し訳なくて…。
俺の優柔不断が招いた結果だろ。
あの頃の俺は、本当に卑劣だったよ。
最低だ。」
航太…何を言いたいの?
今まで聞いたこともない、航太の低い声に私は身震いする。
「俺は玲と、やり直したかった…。」
「ひっ……。」
絞り出したような低い声に、私の心も悲鳴を上げた。
嫌だ、――――。
そんな話、聞きたくないっ!!
「…謝って、謝って、許してもらえたら…。
いや、許してもらえなくても、俺は玲を愛していた。
麻友理と付き合う気なんて…、なかった。」
―――――――!!