* another sky *
「もう…戻れるわけじゃないけど、俺は…俺は、本当に自分が情けないよ。」
「……っ、」
後悔…、してるの?
…お願いだから…。
そんな顔、しないで…。
「航太が好きなの。
航太も私に気持ち、向いてたでしょう?
だから、だからっ――――。」
「俺は…、麻友理に興味がなかったわけじゃない。
でも、玲と別れてまで一緒にいようとはさらさら思っていなかった。
一時の、気の…、迷い…、だった。」
―――――――!!
「気の、迷い…?
ねぇ、それって何?
一時だけって、こと?
浮気相手って、こと?」
「誰でも良かったとは言わない。
単に玲の友達に綺麗な子がいて興味を持ったっていう最低な理由。」
「……あ…。」
それ、だけ……?
「でも、この2年間、麻友理と過ごしてきて。
俺はきちんと付き合おうと思って、向き合ってきたつもりだよ。」
航太の声が優しさを取り戻したと同時に、涙がぽたりと床に落ちた。
「あんなふうに玲と離れさせた責任もあったけど、麻友理が尽くしてくれるのをありがたいと、思ってた。」
ねぇ、航太…。
今、私に残酷なことを言ったよ…。
私と付き合ったのは、責任感からなの…。
私は今…、玲には叶わないって言われたんだよね?
…私の価値は…玲より低いってことだよね。