* another sky *
「だけど、……。
最初から麻友理が仕組んでたって、わかったから…。
それまでの感情だって、怪しくなる。
俺は騙されていたのかって思うし、今は、麻友理のことを信じられない気持ちで、いっぱいなんだ。」
「……っ。」
―――――――――。
――――、 沈黙が、怖い。
次に何を言われるのか…、想像できるから。
「…別れよう。」
「…嫌っ…、嫌よっ!!」
航太の胸に飛び込んでも、泣きながら見つめても、航太はもう腕を回してはくれない…。
本気、なの…?
私を捨てるの?
ねぇ、航太。
「俺、この機会にカナダで一から自分を見つめ直したいんだ。
仕事も結果を残したい。
…悪いけど。」
「……っ。」
そんなの、言い訳でしょう?
取って付けたような、……。
あっ―――――!!!
「玲でしょうっ。
玲と一緒に、行くんでしょうっ!!」
「……っ。」
航太は必死にしがみ付く私の手のひらを、そっと外す。
「玲とは連絡取ってないよ。
これからも、玲とは連絡を取るつもりは、ない。」
「嘘よっ!!
玲と行くのよっ!!」
「…玲はもう前を向いて歩いているんだ。
会ったんだろ?麻友理。
それだって俺は聞いてなかったんだぜ。
玲はもう、新しい恋人と幸せに過ごしている。
俺たちとは関係ないんだ。」
――――――!!