* another sky *

返事に困っていると、

「玲ちゃんの中で、航太はもう終わったこと?」

と、聞かれる。


「はい。」


「じゃあ、航太がひとりで行くって聞いても?」


「もう、終わったことだから。」


私は佐藤君をしっかりと見ながら、返事をした。


「航太、麻友理ちゃんと別れたよ。」


―――――――!!


「え、何で?」


だって、そんなわけないじゃない。

麻友理が電話してきたのは、ついこの前…。


「麻友理ちゃんと会ったんだろ?」


「な、何でそれを…。」


「知ってるのかって?」


佐藤君は生ビールを一気に飲み干し、おかわりの注文をした。


「玲ちゃんが綾子ちゃんと会った次の日に、航太に全部、話がいったらしいよ。」


―――――――!!!


え、ちょっと待って。

どういうこと…?


「綾子が、航太に話したの?」


「いや、綾子ちゃんだけじゃなくて、紺も、だけど。」


「……っ。」


ああ、そうか。
綾ちゃんは紺ちゃんと同棲してるんだった。

でも、まさか航太に話が行くなんて、考えてもいなかった…。


ああ…、もう…。


私は居ても立っても居られなくなって、ビールをひとくち、飲む。


早く、帰りたい…。

でも…、どうしてそれが…。

麻友理と別れることに、繋がるの?


釈然としない表情を読み取ったのか、佐藤君は視線を私に向けた。
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