* another sky *
「航太は、玲ちゃんと別れるように仕向けたのが麻友理ちゃんだって初めて知ったんだ。
まあ、俺らは何となくわかってたけどね。
航太はそんな器用なやつじゃないから。」
――――――――。
黙り込む私を、一瞥する。
「航太は、――――。
玲ちゃん達の仲を引き裂いてしまったことに、すげえ責任感じててさ。
うん、自分を責めてた。
玲ちゃんのことも、ずっと引きずってたしね。
…辛そうだったよ。
見てて、かわいそうなくらいに、ね。」
「…やめて、佐藤君。
もう、終わったことだからっ。」
そんな話、聞きたくない…。
「わかってる。
もう十分、わかってるから、聞いてくれないか。
戻れないことぐらい、わかってる。
なっ、――――?」
――――――――。
俯いた私に、暗黙の了解を得たと思ったのか、佐藤君は話を続けた。
「航太、玲ちゃんのこと、忘れてない。
今も好きだよ。」
「……っ。」
「俺、この前、玲ちゃんと会ったこと話したんだ。
玲ちゃんが頑張ってるって、知って…。
嬉しそうに、笑ってたよ。
あの頃さ、玲ちゃんと連絡が取りたいって、あいつ、必死だった。
でもさ、追い詰めるような形にはしたくないって、……。
我慢してたんだよ……。」
「……っ。」
佐藤君は何を言いたいんだろう…。
だって、もう、どうしようもないじゃない。