* another sky *
「可愛いって、言ったなっ!」
―――――――!!
「ひゃあっ!!
か、かっこいいですっ。
かっこいいの、間違いーっ!!」
動けないように固定して、私の身体をくすぐりだした翼は、楽しそうに見下ろしていて。
「きゃああっ!やめてっ!!」
「どっちなんだよ、こらっ。」
「カッコいい、ですっ!!」
「本当に?」
――――――――!!
「本当だよーっ。」
半泣きになりながら、必死で訴える私を、ケラケラと笑いながら、それでも止めようとしないんだもん。
「ご、ごめんなさーいっ!!
かっ、かっこいい、…からっ。」
「それなら、よろしい。」
ふうーっとわざと大きく息を吐き、
「俺、女の子に可愛いって言われたの、何年ぶりだろ。」
と、私の身体を起き上がらせた。
「はああ……。
だって、翼、拗ねるんだもん。」
翼は穏やかな眼差しを私に向けて、軽く、ちゅ、と、キスをする。
「…玲、今日、何か、合ったでしょう?」
―――――――!!
「え、何で?」
「玲の顔がね、何だかすっきりしたようだったから。」
―――――――!!
「えー。翼、すごいっ。」
「当たり前じゃん、玲の事なら何でもわかるよ。」
佐藤君に、ちゃんと気持ちを伝えられたからかな。
でも、翼って、こんな小さなことでも気付いちゃうの?