* another sky *
「…りょうちゃん、こんな時間に、どうしたの??」
翼もいるし…、とりあえず起きなきゃ。
朝練には、まだ早いもんね…。
そんなことを考えながら。
ベッドから移動しようと、足を出す。
刹那、――――。
緊迫した綾子の声が、耳に響いた。
「玲、落ち着いて聞きなさいよ。。」
―――――――!?
「ん、…どうしたの?」
綾子の声に戸惑い、足が止まる。
何、どうしたの?
何か、あったの……?
「麻友理が…。」
麻友…理??
「……っ。」
やっと、ただ事ではない雰囲気に、気付かされた。
まさか、――――。
麻友理の名前が出てくるなんて、想像もしていなかったから…。
たったそれだけのことなのに、私の心臓は、大きく跳ねる。
「…麻友理がね、麻友理がっ…。」
「りょうちゃん? どうしたのっ?」
「麻友理が…。」
綾子の、震える声。
「……っ。」
息を整えようとしているのか、荒々しい息づかいが耳元で繰り返された。
何、―――?
何があったの??
もしかして、大変なことが起こっている…?
私は腰が抜けたように、そのまま床に、座り込んでしまった。
何…、何なの…。