* another sky *
「ああ、――――。
玲、しっかりするんだっ。
麻友理さんに会いに、病院に、行くぞ。
用意、出来るな?」
―――――――!!
「うんっ。」
「俺も一緒に行くから、玲、急いで着替えるんだ。
いいな?」
「わ、わかった…。」
「玲っ、――――。
大事な親友、なんだろっ。
しっかりするんだっ!!」
「は、はいっ。」
翼の大きな声で、私は我を取り戻す。
馬鹿、―――――!!
麻友理の馬鹿っ、―――!!!
何、やってんのよ!!!
何、してんのよっ!!!
麻友理に何かあったら、どうしよう。
麻友理!!!
麻友理っ!!!!!!
私にとって、……。
麻友理の存在は、やっぱり、大きい……。
いかに大きな割合だったのか、……。
こんなふうになってから、…気付くんだ…。
もう一生、……逃れられないような、気がする……。
「ったく、――――。
玲、ほらっ、これ着てなっ。」
立ち竦む私に、翼は着ていたパーカーを脱ぎ、すっぽりと頭から被せた。
いつものリュックを掴むと、私の腕を引き、外へ出る。
ぐっと強く、腰を抱く、腕。
翼の身体に寄りかかる私は、一人じゃどうしようもない。
情けない程、打ちのめされていた。