* another sky *
「だ、だって、航太、仕事だし…。
会えない時は寂しいけど…。
一緒にいるときは、いつも、優しいし…。
すごく大切に…してくれてるし…。」
「俺も、だよ。
会えないのは、寂しい。
でも、玲と一緒にいれる時は、すっごい幸せに思ってる。
一緒にいる時間が充実してたらさ、何の問題もないだろ?
実際、こうやって俺を頼ってくれたり、甘えてくれたりしてくれたらさ、男として嬉しいし。」
何となく航太の言いたいことがわかってきた気がする。
私は今、麻友理のそばにいてあげたい。
その思いを、きちんと航太に伝えていれば、航太は私の気持ちを推し量ってくれる。
これが逆の立場でも、きっと私は航太と同じことを言うだろう。
「友達を優先していいよ。」って。
そう言える関係を、お互いが作り出していけたなら、恋人のラインは揺るがない…。
「俺の場合は、それでいいんだよ。
だけど、友達は違うじゃん?
敢えて麻友理ちゃんに不必要な話をすることもないし。
かといって、一緒に落ち込む必要もないでしょ。
玲は、玲なんだから。」
「…そっか。」
「同情じゃないよ、それ。」
「え?」
「思いやりっていうの、そういうのは。
だから、玲が思ってることは、至極、真っ当なことなの。
綺麗ごとかも、なんて悩む必要、なし。」
「…航太…。」