* another sky *
「玲は母性に溢れてるって。
実は俺が、玲に守られてるんだってさ。
俺の親とか、兄貴とかに対しての気遣いが、半端ないって褒めてたよ。」
「うそ!!」
「千尋さんも、年下なのに、つい玲に愚痴っちゃうって。
玲、愚痴られたこと、あるの?」
「愚痴っていうか、まぁ、…いろんな、話?」
航太は可笑しそうに、声を立てて笑う。
「人一倍、気を使って、それを感じさせないってさ。
器の大きさが、あの年で半端ないって言ってたよ。」
「そんなこと、ないよ。
だって、航太にはいつも弱いとこばっかり見せてるよ?」
「玲は弱くなんか、ないよ。
ちゃんと自分の考えを持っていて、それを言葉にできるでしょ。
千尋さんに言われて気付いたんだよ。
甘えと弱さは違うって。
だから俺は玲をいっぱい甘やかせたい。
悩みも泣き事も何でも聞いてあげる。
そういうの、俺だけに見せてほしいから。」
「……、航太…。」
「だからさ、他の奴らの前ではにこにこ笑ってな?
俺がしっかり充電してあげるから。」
―――――!!
「玲の思うようにすればいいんだよ。」
「え、―――。」
「麻友理ちゃんはきっと玲の気持ち、わかってる。
玲が自分に配慮してくれてるんだってことも、ちゃんとわかってるよ。
だって、親友なんだろ?」
「……っ。」