* another sky *
「うーん、……。
それは、どうでもいいんじゃないかな。」
「どうでもいいって―――。」
「あら、航太が認知してくれるの?
しないでしょう?
だったら、航太が知る必要ないでしょう?
私達、別れたんだから関係ないじゃない。
それとも、――――。
一度、鑑定、しとく?」
は、―――――?
こいつは、何を言ってるんだ?
「……っ。」
「私もね、航太と一緒にカナダに行きたかったなぁ。
そこで妊娠がわかったら、良かったのに。
航太と一緒に、育てたかったよ?」
「俺の子供じゃないって、…わかってて?」
「そんなの言わなきゃ、わかんないじゃない。」
「……っ。」
にっこりと笑うその笑顔に、虫唾が走った。
「…説明、してくれないか。」
「何を?」
「ああ、そうですかって、終われないだろう?
きちんと説明してくれ。」
「うーん、…。
言わなきゃ、だめ?」
――――――――!!
「別れたくないってすがったのは、麻友理だろっ。
それで、自殺なんかして…。
だから今、ここで入院してるんじゃないのかっ?」
「…そうだね…。
私、何も、見えてなかったのかもしれない…。
由樹と別れてね、どん底にいる私の目の前で、幸せそうに笑ってる玲に、嫉妬したの。
だから航太とのこと、壊してやろうって思ったの。
玲も私と同じ気持ち、味わえばいいって。」