* another sky *

「うーん、……。

それは、どうでもいいんじゃないかな。」


「どうでもいいって―――。」


「あら、航太が認知してくれるの?

しないでしょう?

だったら、航太が知る必要ないでしょう?

私達、別れたんだから関係ないじゃない。


それとも、――――。


一度、鑑定、しとく?」



は、―――――?


こいつは、何を言ってるんだ?



「……っ。」


「私もね、航太と一緒にカナダに行きたかったなぁ。

そこで妊娠がわかったら、良かったのに。

航太と一緒に、育てたかったよ?」


「俺の子供じゃないって、…わかってて?」


「そんなの言わなきゃ、わかんないじゃない。」


「……っ。」



にっこりと笑うその笑顔に、虫唾が走った。



「…説明、してくれないか。」


「何を?」


「ああ、そうですかって、終われないだろう?

きちんと説明してくれ。」


「うーん、…。

言わなきゃ、だめ?」



――――――――!!



「別れたくないってすがったのは、麻友理だろっ。

それで、自殺なんかして…。

だから今、ここで入院してるんじゃないのかっ?」


「…そうだね…。

私、何も、見えてなかったのかもしれない…。

由樹と別れてね、どん底にいる私の目の前で、幸せそうに笑ってる玲に、嫉妬したの。

だから航太とのこと、壊してやろうって思ったの。

玲も私と同じ気持ち、味わえばいいって。」

< 491 / 769 >

この作品をシェア

pagetop