* another sky *
「はっ、――――?
何だ、それ?」
「それなのに、航太、玲のことちっとも忘れてくれないでしょう。
せっかく別れさせたのに、すぐに私のところに来なかったじゃない。
今まで待たせて悪かった、みたいに、ね。
偉そうに上からものを言われても、遅すぎるのよ。」
―――――――!!
「俺は麻友理と、…。
真剣に向き合ってきたつもりだっ!」
「それよ、それ、そうなのよ、…。
何かと俺が悪い、悪いって、引きずってさ、…。
正直、うんざりしてたの。」
―――――――!!
「由樹と別れて気付いたんだけどね、私、結構もてるんだよね。
航太もあっさり、引っかかったもんね。
あなたも、私のこの顔に靡いて来たんでしょう?
連れて歩くのにいいとか、思ってたんでしょう?
ははっ、航太、――――。
私がおとなしく待ってたと、思ってるの?
一途にあなただけを見ていたとかでも、思ってたわけ?」
―――――――!!
「あ、――――。
ほら、ね。
世間知らずのお坊ちゃまって、困る。」
嘘だろ…?
麻友理は今まで、……。
献身的に俺を支えようと…。
そばで必死に支えようと、してくれてたんじゃないのか…?