* another sky *
「私ね、いろんな人とデートしたのよ。
航太より条件のいい人がいたら、そっちに行こうって。
だって、――――。
いつまでも元カノに未練タラタラの男なんて…ね。
玲は陥れることが出来たわけだし、別に航太だけに括ってたわけじゃないわ。
彼氏がいてもいいからって、みんな言ってくれてたし。」
「…それで?」
ムカムカしてきた。
こいつは何なんだっ?
「結婚、してくれるっていうのよ。
この子のパパ、―――。」
麻友理は愛おしそうに、そっとお腹のあたりを撫でた。
「私の全てを、愛してるんだって。
高学歴だし、収入もいいの。
当然、見た目も、体の相性も。
独りよがりの航太より、ずっといい。」
「……っ!!」
「だからもう、ここには来ないで。
両親にも話したの。
赤ちゃんが出来て、怖かったからって。
そしたら父なんて烈火のごとく怒っちゃって。
相手に会わせろっ!!って。
だから、もう、来ないで欲しいの。
彼もここに来るから。」
―――――――。
「すぐに私に向いてくれたら、良かったのにね。」
――――――――!!
「残念だったね、航太。
一緒にカナダで、子どもを育てても良かったのに。
あ、でも、――――。
私のこと嫌いなんだもんね。
じゃあ、いいよね?
私、結婚しても。
恨まないよね?」