* another sky *
過程があるからこそ、今があるんだって思う。
嬉しかったことも、
楽しかったことも、
苦しかったことも、
辛かったことも、全部、――――。
あの頃の思いは、懐かしい思い出とともに、…。
いつかきっと、私の中で、何かに形成されていくはずだよね…。
麻友理も、自分の口から航太に、ちゃんと別れを告げたらしい。
「麻友理、ちょっとキツイみたいなの。
面会、ちょっと遠慮してあげてくれる…?」
梨花からの電話に、しゅんとしてしまったのは否めない。
「少し、顔を見るのも…だめ?」
「麻友理、今、頑張って前を向こうとしてるの。
間違った方法…だけど、ね。
でもね、私は応援してあげたいの。
麻友理が自分で決めたことだから。
玲の顔見ちゃうと、渡瀬さんのこと思い出しちゃうでしょ…。
元気になったら、またみんなで会おうよ。
ね、―――?」
正直、……驚いた。
麻友理から航太に別れを告げるなんて、ありえないって思ってたから。
「間違った方法…?」
また麻友理が、……。
自分を傷つけてしまうんじゃないかって、不安になる。
「玲が心配してるってことは、麻友理が一番良くわかってるよ。
だから、少し、時間が必要なんじゃないかな。」
「…うん。」
やきもきする私に、それ以上のことは教えてはくれなかった。