* another sky *
「大丈夫、麻友理は元気なの。
ただね、反省する時間と、立ち直る時間が必要なだけ。
玲自身のことは関係ないって。」
梨花にそう言われて、私も頷くしかなかった。
そんなにも強く、航太を思ってて、……。
麻友理はどうして航太に別れを告げたんだろう…。
私にはもう、わからないね…。
私のことを心配してからか、梨花から何度もメールが送られてくる。
麻友理と今日は散歩したよ。
だいぶご飯を残さないようになったよ。
少しずつ、笑えるようになってきたよ。
そんなささやかな報告が、私を温かな気持ちにさせた。
そっか…。
よかった…。
時間がかかったとしても、麻友理が元気になれるのなら、それでいい。
離れていても、いつかまた4人で会えたら…、それでいいよ。
「麻友理に伝えて。
連絡、待ってるからって。」
「うん。ちゃんと伝えるからね。」
あの頃のように、本当にまた会える日が来るのかな。
何も考えずにただ笑っていられた日々は、もう遠い過去のようだ。
「玲も頑張るんだよ。」
――――――。
私は、何を頑張ればいいんだろう…。
それすら、わからない…。
翼はどうしてるんだろう…。
翼は、――――。
あれから、……。
私たちの間には、何も、ない。
私から連絡することも、翼から連絡がくることも、
一切、なかった。