* another sky *


私はこの仕事が好きなんだなって、改めて思う。


だんだん一人で任されることも、多くなってきている。

挑戦しがいのあるプロジェクトも、諏訪さんが後押ししてくれることもあって、指名されることも増えた。

私のデザインした空間が、みんなの思い出の場所になる。

そう考えると、嬉しくて仕方がない。


たとえば、――――。


子どもの頃遊んだ公園に、今度は自分の子どもと訪れることもあるだろう。

親子だったり、恋人だったり、友達だったり、それは様々な形で、いろんなシチュエーションで。

私のデザインした景観が、後世まで残っていくなんて、凄いことだと思う。


初めて手掛けたデザインが施工された時なんて、興奮して眠れなかった。

それは、大きな通りと小学校を繋ぐ、歩道橋の景観設計で。

修築工事ではあったけれど、デザインは一新したのだ。

何度もそこを通るたびに誇らしく感じてしまう。


私の、最初の、場所。


行き詰った時に、今も訪れる、大切な場所。



「タイルの色だけ、ちゃんと見本で確認しといてくれ。」


「わかりました。
新カラーの見本を持参しますね。」



下山スポーツ公園は、翼と初めて出会った場所だ。


大きな工場跡地を県が買い取り、市民の憩いの場所へと生まれ変わらせた。


今回、私達が任されているのは、体育館周りのスペース。


大型駐車場に続く道なりの、景観設計だった。

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